概要
電子基板の検査方法は、主に「実装検査」と「機能検査」に分類することができます。
実装検査は、基板のプリントパターン上に既定の部品が正確に実装されているかを検査するものであり、機能検査は、機械的に定格通りに動作するかを検査するものです。ここでは、電子基板の機能検査の概要について説明します。
近年、電子回路基板は、小型化・高密度化が進み、回路の集積度も上がり、高機能な基板が多く製品化されるようになっています。また、メーカーが開発する製品も少量・多品種であり、多くの種類が設計・開発されています。これら数多くの品種の回路基板の機能検査を行うため、ファンクションテスタには、標準化が求められています。
ファンクションテスタによる機能検査
現在行われている機能検査は、回路基板の入出力の電気的動作を確認するための検査です。一般的にファンクションテストと呼ばれており、検査基板の入力端子に仕様に沿った電気信号を供給し、期待される出力が得られるかを検査します。また、このほかに、スイッチやLEDなどのインサーキットでは検査しにくい電子部品の検査や、マイコンやFPGAなどの集積回路の動作確認やプログラムの書き込みなども行われています。そのため、インサーキット検査とファンクション検査を比較した場合、ファンクション検査を行う製品の方が多い傾向にあります。
≪ファンクションテスタの主な検査項目≫
●コネクタのショート・オープンチェック
●LEDの点灯やスイッチの動作
●出力回路の出力レベルやドライブ電流
●マイコンの周辺回路・FPGAの動作検査
●マイコン・FPGA・EEPROMの書き込み
≪汎用機によるファンクションテスト≫
ファンクションで必要とされるインターフェース回路が自由に増設できるマイコンボードです。また、作業者へのマンインターフェースも検査に合った形で選択でき、PCでの検査も可能です。(Protec製:Future3000)
シールドボックスを利用したファンクションテスト事例
製品の機能検査で、無線を利用した製品は数多くあります。その場合、データの送信・受信を行いながら、回路検査も行う必要があります。また、外側から電波を受信しない状態による検査は、シールドボックスや電波暗箱を使用して、ファンクションテストが行われています。